第1回未来育てるジョウロ基金 実績報告

第1回未来育てるジョウロ基金(2022年秋募集、2023年事業実施)では、4件の助成を決定しました。

事業実施期間(2023年末まで)終了後にまとめていただいた実績報告を掲載します。(敬称略)

①株式会社リコペル

事業名

夏秋トマトで北杜市の新規就農支援モデルの構築

事業概要

(当初計画)

①新規就農者募集ホームページ作成

②農業求人サイトへ掲載し新規就農希望者を募集

③就農希望者への技術研修及び独立支援

実施結果

①新規就農者募集ホームページ作成
独立就農希望の研修生募集のページを作成、独立就農までの具体的なイメージがつかめる情報を掲載しており、具体的な収支シミュレーションに加え、北杜市での生活コストのシミュレーションも掲載。貯蓄額のイメージなどもできるようにしている。
②求人サイト掲載
「あぐりナビ」へ情報を掲載中であり、新規就農者を継続募集中である。
③就農希望者への研修及び独立支援について
研修生を2名採用し、令和6年4月からの独立就農を目指し、当社農園で現在トマト栽培の基礎を習得中。土地の確保や中古のハウス改修などの事前準備を進めている。
事業費
約55万円(うちジョウロ基金助成金50万円)

オフィス

kiyoharuより

コメント

事業が予定通り推進されており、新規就農者の今後の活躍が期待されます。
独立希望者の収益は同社の全量買い取りに依存することになりますが、気候変動で高冷地のトマト栽培は今後も需要が高まる予測であり、他の夏野菜(なす、ピーマン、きゅうりなど)も今後同様の可能性があるため、当面は問題ないとのことです。
代表米田さんの印象深い言葉として、「大きなハウスを建てて地域でパートさんの取り合いになるよりも、地域外から就農したい人を連れてきたほうがいい。地域貢献としての意味合いも大きいと考えている」とのことでした。寺社の成長と同時に地域の成長も考えられているところに、当社の理念とベクトルが重なり、今後の成長がますます楽しみです。

②新海桂子

事業名

ボナペティおごっそうの玉手箱 -伝統食の聞き書き・ワークショップ-

事業概要

(当初計画)

①伝統食の聞き書き・発信

②体験型料理ワークショップ(リアルタイム・動画配信)

③レストランメニュー・お弁当メニュー開発

④伝統野菜の種子保存

実施結果

①10名程度にコンタクトを取ったが、伝統食の聞き書きは思うようにできなかった。これまでの活動の広報や今後のPRのためのHP・パンフレット作成等で活動の足固めを行った。

②北杜市・甲府市で料理教室を実施。伝統食との出会いや食の楽しみを伝えることはできたが、参加者数は思うように増えなかった。宣伝方法、トライアル等の工夫が必要。

③北杜市の子ども食堂・料理教室等でメニュー開発を実施。

④は実施できず。

事業費

約57万円(うちジョウロ基金助成金50万円) 

オフィス

kiyoharuより

コメント

2012年から続けられてきた伝統食の聞き書き・情報発信の活動を本格的に事業としてスタートされるタイミングで、ジョウロ基金助成金を活用していただきました。事業を収益化する仕組み作りには課題が残り、私たちもコンサルティングが不十分な面があったと思いますが、HPやパンフレットは新海さんらしさを生かした素敵なものが出来上がったと思います。今後の事業のご発展を楽しみにしております。

③一般社団法人星つむぎの村

事業名

星の寺子屋・自然のめぐみ、いのちのつながりプロジェクト ~障害児者や難病児者とともに

事業概要(当初計画)

①北杜の美しい星空を一緒に見る星空観望会

②「星つむぐ畑」での栽培、収穫、食品づくり体験

③周辺の森や草原での自然観察

④自然体験を生かしたアート活動

 実施結果

星空観察会(計9回開催・延べ参加者数289人)

あおぞら共和国およびオンラインにて星空観望会を開催した。あおぞら共和国に観望会には、甲府市・南アルプス市・北杜市など山梨県内の参加者も10名程あり、難病児や障害児とともに星空を見上げる機会を提供できた。オンライン観望会では、北杜の星空だけでなく、岡山・京都・岐阜からも同時接続し配信を行った。全国各地から参加いただけた。

②星の寺子屋・自然のめぐみいのちのつながりプロジェクト

(計24回開催・延べ参加者数256人うちオンライン参加14人)

季節の伝統行事や農作業体験、工作やアートプログラムのほか、星つむぐ家の見学会も行った。

③星つむぐ畑での作物栽培体験

自社農園にて、種まき・植え付け・収穫体験を実施。ペープサートを使った「大きなカブ」を再現しながらの収穫体験やオンライン参加のご家庭には、収穫した野菜をお送りするなど「参加(体験)」への工夫をおこなった。ボランティア(北杜市の児童および生徒計6名)の参加を呼びかけたことで、障害児や難病児と交流する機会となった。

その他にも、梅干しやジャムづくり、自然観察や工作体験も行い、通年で実施できるプログラムとした。

事業費

約108万円(うちジョウロ基金助成金50万円)

オフィス

kiyoharuより

コメント

障害児や難病児、そしてその家族を対象としたプログラムを提供しており、社会性の高い事業と評価できます。開催数や参加者数をみても規模の大きな事業であることから、旅行や体験の機会創出としてユニバーサルツーリズムの事例としても成果を得られる取り組みでもあると思います。

今後の事業展開として、ケア児・重症児でも安心して参加できる環境の整備(看護師の常駐)や、北杜市内の参加者を増やしたいなど、新たな課題に取り組む意欲もあり、継続的な事業として期待できます。

一方で、運営側の世代交代や想いの継承などの課題もあるとのことで、組織強化として公益法人化や福祉タクシーなど収益事業の拡張なども検討していただきたいと思います。

④公益財団法人八ヶ岳北杜グランデフットボールクラブ

(準備中です)